入れ歯の種類や特徴は?メリット・デメリットを解説

入れ歯 種類

これから入れ歯を作製することを考えている方の中で、事前に種類や扱い方を詳しく知っておきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

入れ歯には、大きく分けて部分入れ歯と総入れ歯の2種類が存在します。

そのなかでも、保険適用で作成する入れ歯と、保険適用外で作成する入れ歯では、値段や素材、使用感に大きく違いが生じる場合があります。

本記事では、入れ歯の種類や特徴、作成するメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

入れ歯の必要性とは

入れ歯 種類

入れ歯には、咀嚼機能・発音機能・審美性の3つを回復する役割があります。

年齢を重ねるにつれて、虫歯や歯周病にかかりやすくなる、外傷により歯が欠ける・失うなどのリスクが高まります。

歯を失うことにより、日常生活においてさまざまな障害が生まれることが考えられます。

代表的な例としては、噛むことが困難になり生活するために必要な食事に支障がでることです。

また、歯ぐきの腫れや歯周病を引き起こす危険性もあり、口内環境を悪化させる点にも注意が必要です。

さらに、歯は他人に目を向けられることが多いことから、歯を失うことで見た目にも影響をおよぼすため、心理的にも悪影響となることが考えられます。

これらの機能を回復させるためにも、入れ歯は健康や審美性をたもつ大切な役割をもっているのです。

入れ歯の種類と特徴

入れ歯 種類

入れ歯は主に以下の5種類に分けられ、それぞれ装着感や温度の感じ方が異なります。

  • レジン床義歯
  • ノンクラスプ義歯
  • 金属床義歯
  • シリコーン義歯
  • マグネット義歯

ここでは、入れ歯の種類に応じた特徴を解説します。

レジン床義歯

レジン床義歯とは、プラスチックの素材で作成できる保険適用の入れ歯です。

残っている歯に金属のクラスプをかけるため、総入れ歯と比べると入れ歯が安定しやすく、噛む力の一部を歯が受け止めることが可能になります。

しかし、金属素材よりも厚みがあるため、温度が伝わりにくく、装着時に違和感を覚えることがあります。

ノンクラスプ義歯

ノンクラスプ義歯とは、歯にかけるクラスプ部分と粘膜に当たる部分が樹脂でできていて、入れ歯とわかりにくい見た目が特徴です。

保険で作成する入れ歯に比べて軽く、食べかすが詰まりづらい・フィット感が良いというメリットがあります。

金属床義歯

金属床義歯は、強度が強く粘膜を覆う部分を薄く作成することができるため、違和感が少なく温度を感じやすい特徴があります。

温度が伝わりやすいことで、温かいものや冷たいものを感じやすく、プラスチックの入れ歯と比べて食事を美味しくとることが可能になります。

シリコーン義歯

シリコーン義歯とは、歯ぐきに接する面と縁の部分を柔軟性のあるシリコーン素材に置き換え、入れ歯に対する痛みを軽減できることが特徴です。

シリコーン素材により、噛んだ時の圧を分散してくれるため、硬いものを噛んだ時に痛みを和らげます。

マグネット義歯

マグネット義歯とは、残っている歯根にキーパーを埋め込み、入れ歯側に超小型磁石を取り付け、磁石の力で入れ歯を安定させることが特徴です。

噛む力の一部を歯の根が支えてくれるため、通常の総入れ歯よりもしっかりと噛むことができ、痛みも軽減することができます。

一方で、歯の根を残すことで歯磨きが不十分になると、虫歯のリスクが発生するため、毎日のケアが重要になります。

保険適用と保険適用外で作成する入れ歯の違い

入れ歯 種類

入れ歯は、素材や治療方法によって、保険適用・適用外に違いが生まれます。保険適用と保険適用外で作成する入れ歯の違いを、簡単に表でまとめました。

保険適用の入れ歯保険適用外の入れ歯
入れ歯の種類少ない多い
素材プラスチックチタン・金属床・シリコン床など
厚み厚い薄い
固定方法金属クラスプアタッチメント・マグネットなど
装着時の違和感強い弱い
強度劣化しやすい丈夫でよく噛める

保険適用で作成する入れ歯は、粘着部分に触れる床の素材がプラスチックでできているため、強度をもたせる必要があります

そのため、床が必然的に厚くなり、口内に入れた時に違和感が強くなるのです。

また、歯に固定をするために金属クラスプを使用することにより、審美性が高いとはいえません。

一方で保険適用外の入れ歯は、床の部分を金属や特殊な素材を使用することで、厚みを薄くすることができ、口内に入れた時に違和感を少なくすることができます。

さらに、床にシリコンや特殊な素材を使用した場合は、入れ歯装着時の痛みを軽減することが可能になるのです。

保険適用で作成する入れ歯のメリット・デメリット

入れ歯 種類

ここでは、保険適用で作成する部分入れ歯と総入れ歯のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

部分入れ歯のメリット

料金が安く短期間で作成ができる

保険適用で作成する部分入れ歯は、料金が安いことに加え短期間で作成できることが大きなメリットです。

失ってしまった歯を放置するリスクとして、歯並びに大きな影響をあたえる可能性があるため、早期治療が必要となります。

そのため、短期間で作成することができる部分入れ歯は、歯の機能を早急に補えることができ、他の歯も守ることができるのです。

外科手術が不要

外科手術が不要なことにより、治療時の身体的な負担を和らげることができます。

部分入れ歯は適用できる症状も多く、ほとんどの方の口内状況に合わせることができます。

また、取り外しが簡単なことから、手入れが難しくなく、入れ歯や歯肉の間に挟まった汚れの除去も容易に行えます。

部分入れ歯のデメリット

審美性が低い

保険適用で作成する部分入れ歯には、歯に固定をするために金属クラスプを使用しているため審美性に欠けます。

周囲の歯を固定するため、一定の強度が必要になり、このためには金属が使用されることから、笑った時に金属部分が見えてしまうため、口元を気にする方にはデメリットとなる可能性があります。

虫歯のリスクを高める可能性がある

部分入れ歯の装着で歯を削る処置が必要になった場合、健康な歯を削ることで虫歯リスクを高める可能性が生まれます。

基本的にはブリッジのように歯を削る必要はありませんが、口腔内の状況によっては周辺の歯を削ってクラスプを固定させる必要があります。

歯を削る処置はあくまでも口腔状況によって異なりますので、必ずしも削る必要性はないことをご理解ください。

総入れ歯のメリット

安い料金で作成ができる

保険適用で作成する総入れ歯は、部分入れ歯と同様に料金が安いということがメリットになります。

保険が適用されることで、1割〜3割負担で総入れ歯を作成することが可能です。

また、保険適用で作成できる素材はプラスチックで、固定するための外科手術が必要なく、短い期間で治療を完了することができるのもメリットの一つといえるでしょう。

修理が簡単で適応範囲が広い

総入れ歯を誤って落として壊れてしまった場合でも、修理が簡単な点がメリットになります。

保険適用で作成できる総入れ歯は全てプラスチックでできているため、万が一壊れてしまった場合でも一から作り直す必要がありません。

また、適用範囲が広く、一人ひとりの口内状況に合わせられることも利点となります。

さらに短時間で作成することができるため、多くの方に利用されています。

総入れ歯のデメリット

金属製の入れ歯に比べて強度が劣る

保険適用で作成する総入れ歯の素材はプラスチックのため、保険適用外で使用する金属製の入れ歯に比べて強度が劣ることが欠点です。

強度を上げるためにも、床部分を厚く作成する必要があり、全体的に厚みがあることで装着時に違和感が生まれ、喋ることや食べることがスムーズにできなくなります。

また、分厚いことで食べ物に対する温度も感じにくくなり、美味しく食事をとれないという人も少なくないでしょう。

臭いがつきやすい

プラスチックは壊れやすいことに加え、臭いがつきやすい素材であるという点がデメリットです。

プラスチック素材は柔らかく傷がつきやすい・水分を吸収しやすく臭いや歯垢が付きやすくなる特徴があります。

毎日手入れを行った場合でも臭いがとれにくく、修理や補修以外でも定期的な取り替えが必要になることを視野に入れておきましょう。

天然歯のように噛めない

保険適用で作成する総入れ歯の場合、噛む力が天然歯に比べて一般的には10%〜20%程だといわれています。

天然歯に比べて噛む力が弱まることに加え、特に前歯の場合は以前のように噛み切る行為が難しくなります。

そのため、できる限り均等に噛むことを心がけることが重要です。

保険適用外で作成する入れ歯のメリット・デメリット

入れ歯 種類

保険適用外で作成する入れ歯のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

メリット

口内状況にあった入れ歯を作成できる

保険適用時のように、入れ歯を作成する素材や材質に明確なルールがありません。

型取りの段階から精密に作成され、素材や材質も治療をうける方の要望に沿った、オーダーメイドの入れ歯を作成することが可能になります。

そのため、保険適用の入れ歯と比較して、使い心地や見た目を追求することができます。

審美性が高い

入れ歯作成時の素材や材質にルールがないことから、審美性を重視した入れ歯の作成が可能になります。

金属の留め具を使用せず、他の方法で歯と入れ歯を固定することができるため、自然な見た目を追求することができ、残っている歯への負担を減らすことができます。

また、金属の留め具を使用しないことで、金属アレルギーの方でも安心して装着できることが一つのメリットになります。

装着感に優れている

保険適用外で作成できる入れ歯は、素材によって薄い入れ歯を作成できるため、装着時の違和感を軽減することができます。

また、保険適用のプラスチック素材に比べ、食事の時に食べ物に対する温度を感じやすくなり、美味しく食事をすることが可能になります。

厚みを薄くすることで素材の重さも軽くなり、口内に入れた時に違和感の少ない入れ歯を作成することができます。

デメリット

費用が高額

保険適用外の場合、当然ながら入れ歯作成にかかる費用は全額負担になります。

費用だけに関していえば、保険適用内の入れ歯と比較すればデメリットといえるでしょう。

また、治療法によっては一般的な入れ歯と比べて、適用範囲が狭まるケースもあります。

作成に時間がかかる

保険対象外の入れ歯の場合、精密な型取りや噛み合わせの確認を行うため、完成までに3ヶ月程かかってしまう場合があります。

これは、限りなく自身の歯に近い理想の噛み合わせや、見た目を追求するためには必要な期間といえるでしょう。

まとめ

本記事では入れ歯の種類や特徴、保険適用と保険適用外で作成する入れ歯に対するメリット・デメリットを詳しく解説しました。

入れ歯を作成する時には、治療を受ける方の口内状況や金銭面によっても、種類や治療方法が異なります。

今回の記事を参考にして、ご自身にあった入れ歯の選び方を見つけていただければ幸いです。

『平山歯科医院』は、祖師ヶ谷大蔵で25年間培ってきた技術をもとに、さまざまな歯のトラブルやお悩みにお応えします。

経験豊富なスタッフが丁寧に聞き取りを行い、患者様に合った入れ歯をご提案させていただきますので、是非この機会にご来院ください。

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