虫歯で歯ぐきが腫れる原因は?放置するリスクと3つの対処法
虫歯を放置してしまった場合に考えられるリスクとして、歯ぐきの腫れが挙げられます。
虫歯を放置することで、膿が溜まり炎症を起こす可能性があります。また、歯周病や親知らずが原因で、歯ぐきや顔が腫れるケースも考えられます。
炎症による腫れは自然に治りにくいため、歯医者で治療を受けなければいけません。
今回の記事では、虫歯で歯ぐきが腫れる原因と、自宅でできる応急処置の方法を詳しく解説します。
歯ぐきの腫れに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
虫歯で歯ぐきが腫れる原因は膿瘍
虫歯が原因で歯ぐきが腫れる原因は膿瘍です。
膿瘍とは、虫歯の進行で組織の中に膿が溜まった状態のことで、虫歯が中期以降に進行している場合は歯ぐきが腫れる可能性があります。
また、虫歯だけではなく歯周病により歯ぐきが腫れる場合もありますが、多くは細菌感染で炎症するケースがほとんどです。
膿瘍による主な症状は下記の5つです。
- 自覚症状がない
- 歯が浮いた感じがする
- 噛むと痛い
- 頭痛
- 歯ぐきが腫れる
なかでも特に代表的な症状は、歯ぐきの腫れです。
歯ぐきが腫れている状態の時には、出血をともなうケースが多く、それと同時に歯が浮いた感じがするといった症状を自覚することがあります。
虫歯以外で歯ぐきが腫れる5つの原因
虫歯以外で歯ぐきが腫れる原因としては、主に以下の5つが考えられます。
- 歯の根が割れている
- 歯周病が進行している
- 親知らずが原因
- 過去に治療した患部の悪化
- 口腔がんの恐れ
下記にて、それぞれの原因を詳しく解説します。
歯の根が割れている
歯の根が割れている部分から細菌が侵入し、歯ぐきが腫れることがあります。
もともと奥歯は噛む力が強いため、長い年月をかけて少しずつ歯に負担がかかり、知らない間に割れてしまっていることがあります。
細菌感染による炎症で周辺の骨が少しずつ溶け始め、周囲の歯にも影響をおよぼす可能性があるため、欠けたり折れたりしている状態を放置するのは非常に危険です。
歯周病が進行している
虫歯以外で歯ぐきが腫れる原因の多くは、歯周病によるものだと考えられます。
歯周病が進行すると細菌が歯周ポケットに侵入し、感染が広がると炎症が起こり腫れが生じます。歯ぐきから膿が出ることもあり、独特の臭いを放ったり、触れると痛みが生じることもあります。
親知らず
親知らずの周りが炎症を起こすことで、歯ぐきが腫れる原因となります。
例えば、親知らずが斜め向きに生えていると、ブラッシングが届きにくいため汚れが溜まりやすくなります。
そのため、歯垢・歯石が原因で細菌が繁殖し、親知らず周辺の部位が腫れます。
また、親知らずが歯ぐきに埋まっている状態でも、周囲の部位を圧迫すると腫れにつながるため、抜歯が必要となる可能性があります。
過去に治療した患部の悪化
過去に虫歯治療を受けた歯が、何らかの理由により被せ物や詰め物のなかで細菌感染を起こし、その周囲の歯ぐきが腫れることがあります。
この場合は、すぐに歯医者に行って痛みが生じている箇所の治療が必要です。
口腔がんの恐れ
歯ぐきが腫れることで最も注意が必要なのが、口腔がんが原因で腫れている場合です。口腔がんの自覚症状で多いのは、口腔内の痛み・しこり・出血・腫れなどが挙げられます。
しかし、初期段階では痛みが少なく、痛いと感じた時にはすでに進行しているケースが多いです。
口腔がんの5年生存率は60〜80%といわれています。初期症状のうちに発見すれば簡単な治療で治すことができ、後遺症もほとんど残ることはありません。
歯ぐきの腫れが持続する場合は、早期発見のためにも歯医者に相談することをおすすめします。
歯ぐきの腫れを放置した時の4つのリスク
ここでは、虫歯や歯周病による歯ぐきの腫れを放置した場合のリスクを紹介します。
口臭の悪化
歯ぐきの腫れを放置すると、歯槽膿漏が原因で、血や膿が出る・ひどい口臭がするなどの症状が発生するリスクがあります。
歯槽膿漏とは、歯周病のなかで最も症状が進んだ状態です。
歯槽膿漏が進行するほど歯周ポケットが深くなり、この場所は細菌が潜む格好の場所となります。歯周ポケットに細菌が繁殖することで、口臭の原因となります。
激しい痛みが生じる
歯ぐきの腫れを放置することで炎症が拡大し、細菌が繁殖すると激しい痛みを引き起こす可能性があります。
また、腫れた歯ぐきは歯との接触が悪くなり、咀嚼する時に痛みが生じます。日常生活においてもストレスを溜める原因となるため、早めの治療を心がけましょう。
抜歯が必要になる
虫歯の進行により歯ぐきが腫れ、そこからさらに放置することで歯がボロボロになり、細菌に感染した歯の根っこだけが残っている状態であれば抜歯が必要になります。
根っこだけになった歯が歯ぐきに入り込むと、細菌が周囲の骨にまで感染して激しい痛みを引き起こします。
そのため、最悪の場合は抜歯以外の選択肢はなくなり、失ってしまった歯を補填するためにはブリッジやインプラントが必要になります。
病気を引き起こす危険性
歯ぐきの腫れを放置すると、脳梗塞や心筋梗塞などの病気を引き起こす可能性があります。
激しい痛みを生むことや、抜歯のリスク以外にも生死に関わる病気になることも考えられるため、ただ腫れているだけという理由で放置するのは非常に危険です。
歯ぐきが腫れた時の3つの治療法
ここからは、歯茎が腫れた場合に病院で施される主な3つの治療法を紹介します。歯茎が腫れる原因や症状により、治療法は異なります。
歯周病の治療
歯周病の治療法は、歯垢や歯石の除去、歯根の面の滑択化、切開手術などがあります。
歯周病は再発リスクが高いため、日常生活においては歯磨き、歯周病専用のブラッシングや歯磨剤を使用することが重要です。
根先性歯周炎の治療
根先性歯周炎の治療法は、歯の根本まで穴を開けて道を作り膿を取り除きます。
膿を取り除いたら根管内をきれいにし、再び細菌が侵入しないように薬剤を隙間なく充填します。
根管内がきれいになるまで治療を繰り返すため、一度で完治することはなく何回かの通院が必要になります。
また、症状が悪化している場合は、歯肉を切開して膿を出すこともあります。
親知らずの治療
親知らずの治療方法は、大半が抜歯による治療です。
しかし、親知らずがまっすぐ生えている場合や、ブリッジの支えになっている場合は、抜歯を行わないケースもあります。
術後、3~4日の痛みや腫れ、発熱が考えられますが、長い場合でも約1週間で治ります。
歯ぐきが腫れて痛む時の3つの対処法
歯ぐきが腫れて痛くてもすぐに病院へいけない場合の3つの対処法を紹介します。
これから紹介する対処法はあくまでも応急処置のため、根本的な治療にはならないことを理解しておきましょう。
歯医者に行ける状況になれば、すぐに歯医者で治療を受けることをおすすめします。
痛み止めの服用
歯ぐきの腫れだけではなく痛みがある場合は、我慢せずに痛み止めを服用をしましょう。
歯ぐきの痛みだけではなく、その他の痛みにも痛み止めの服用は有効な改善方法です。しかし、痛み止めはすぐには効果が出ない懸念点があることも頭に入れておいてください。
柔らかな歯ブラシでマッサージしながらブラッシング
歯ぐきが腫れて歯ブラシが痛む場合は、やわらかいブラシを使用して歯の表面だけではなく、歯と歯ぐきの部分をマッサージするように優しく磨きましょう。
腫れている部分が痛くて気になるという理由で歯磨きを控えてしまった場合、口腔内の細菌が増えることで炎症を起こし、さらに悪化する可能性があります。
炎症を起こしている場合、初めのうちは出血するかもしれませんが、磨いているうちに落ち着くため、できる範囲で口腔内を清潔に保てるように心がけてください。
安静にして患部を冷やすことで腫れや痛みを抑える
患部を冷やしながら、安静にして体力を回復することが効果的です。
歯ぐきの腫れは疲れや寝不足であったり、体の調子が整っていない時に生じることが考えられます。
体の免疫力が低下し、細菌を外に出せずに膿が溜まってしまう可能性があるため、腫れや痛みが強い場合は、濡れタオルや氷嚢を使って患部を冷やすことで痛みが和らぐ場合もあります。
まとめ
今回の記事では、虫歯で歯ぐきが腫れる原因や治療法、自宅でできる対処法を詳しく紹介しました。
歯ぐきの腫れを放置することでさまざまなリスクを引き起こす恐れがあります。
また、今回紹介した痛みや腫れに対する対処法は、あくまでも応急処置となるため、根本的な痛みの解決にはつながりません。
そのため、痛みを感じた際は、すぐに歯医者に行くことをおすすめします。
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