虫歯じゃないのに奥歯が痛い7つの原因と治療法を解説
歯が痛む原因として真っ先に疑われるのは虫歯ですが、実は虫歯じゃない場合でも歯が痛むことはあります。
虫歯じゃない場合で歯が痛む原因としては、歯の周りの筋肉の痛みや偏頭痛、狭心症などがあり、歯とは関係ないにもかかわらず、歯が痛い原因になります。
この記事では、虫歯じゃないのに歯が痛くなる原因と治療法、歯以外で歯が痛む原因を詳しく紹介します。
虫歯はないはずなのに歯が痛いと悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
虫歯じゃないのに歯が痛む7つの原因と治療法
虫歯じゃないのに歯が痛む理由は、以下の7つが考えられます。
- 歯根に膿が溜まっている
- 歯肉炎を起こしている
- 歯周病が原因
- 歯の噛み合わせが悪い
- 歯が割れている
- 知覚過敏が原因
- 歯根膜炎が原因
ここでは、それぞれの原因と治療法を紹介します。
歯根に膿が溜まっている
神経のない歯に細菌が感染していると、虫歯がなくても歯が痛くなります。
歯の神経は、栄養や酸素などを歯に運び象牙質を健康な状態に保ち、細菌感染の防止の役割を果たしています。
しかし、神経を失うとその役割が果たせなくなるため、歯根に膿が溜まりやすくなります。
この状態を放置することで、治療の回数や治療費が増えてしまう、または細菌が血管を通じて全身にまわるなどのリスクがあります。
▼治療法
歯根の膿は、根幹内を針のような器具で感染した部分を除去し、細菌を徹底的に殺菌したうえで膿を取り出す方法が挙げられます。
細菌に汚染された根が残っていると再発してしまう恐れがあるため、数回にわたる治療が必要になります。
歯肉炎を起こしている
食べかすが溜まることで細菌量が増えて歯肉炎を起こし、歯ぐきが痛む場合があります。
歯肉炎は歯が痛いと錯覚してしまいますが、歯ぐきが傷んでいるケースがほとんどです。また、歯肉炎が悪化すると歯周病へと進行していくため、注意が必要になります。
▼治療法
歯と歯の間に溜まった汚れをフロスで取り除き、歯科衛生士からアドバイスされる正しい歯磨き方法でブラッシングし、細菌の量を減らすことができます。
細菌を減らすことにより、腫れがおさまり炎症がひくことがありますが、定期的に歯医者で検診を受け、再発防止を心がけることをおすすめします。
歯周病
歯周病自体に痛みはありませんが、熱いものや冷たいものを飲食した時に痛みを感じることがあります。
歯周病が進行すると、歯を支えている骨を溶かし、歯がグラグラになって食べ物を噛む時に痛み、歯ぐきの腫れや出血を引き起こします。
また、進行度によっては何もしていない時でも痛む場合があります。
▼治療法
歯周病の治療法は進行度によって異なりますが、基本的には口腔内から歯周病菌を減らす方法が一般的です。
ブラッシング指導のほか、歯垢・歯石を除去するなどの治療を行います。
しかし、歯周病が進行し基本治療だけでは改善が見込めない場合は、患部の歯ぐきを切開し、歯根面に付着している歯垢や歯石を除去する外科手術を必要とする場合もあります。
歯の噛み合わせが悪い
虫歯治療後に、被せものや詰めものをした場合は、高さが合わずに痛む場合があります。
高さが合わない状態を放置しておくと、歯に大きな負担がかかってしまい痛みが出ることが考えられます。
顎関節症になる、歯の神経が死んで炎症が拡大する、頭痛を引き起こすリスクもあるため、早めの対応が必要です。
▼治療法
初期症状の場合は、被せものを外して噛み合わせを調整することで症状がおさまることがあります。
また、歯ぎしりや食いしばりから歯を保護するために、マウスピースを装着することもあります。
歯が割れている
歯が割れていると、虫歯がなくても歯が痛む時があります。
神経を失った歯は強度が落ちるため、気付かない内に歯にヒビが入っていたり、割れたりすることがあり、その状態で食事をすると痛くなることが考えられます。
歯自体の神経はすでに失っているため、割れた瞬間の痛みは感じず、割れたことに気付かないケースもよく見られます。根まで割れてしまった場合は抜歯が必要です。
▼治療法
歯根破折に対する治療は、現在の歯科医療において確立された方法はなく、抜歯するしかないという考えが一般的です。
知覚過敏
知覚過敏は、虫歯じゃないのに冷たい水がしみたり、歯ブラシを当てた時に痛む場合があります。痛みが起こる場所は、歯肉が下がり象牙質が露出した歯の根の部分です。
象牙質はエナメル質に比べて柔らかく、内部に向かって象牙細管と呼ばれる細い管が通っています。
歯ブラシや冷たい水などの刺激があると、象牙細管内を満たしている内容液が移動し、内部の歯髄神経を直接刺激することで痛みが生じます。
▼治療法
歯医者で知覚過敏と診断された場合は、薬の塗布が一般的な治療法です。
知覚過敏はエナメル質が削れ、象牙質が露出し刺激が加わることで歯がしみる・痛むといった症状へつながります。
患部を薬で覆うことで外部からの刺激を遮断し、症状の改善を期待できます。
歯根膜炎
歯根膜炎が原因で歯が痛む場合があります。
噛み合わせの影響でその歯にとって許容範囲を超える力が加わった場合、歯を支えてクッションの役目をしている歯根膜が炎症を起こして痛みを引き起こします。
歯根膜炎は、食いしばりや歯ぎしり、歯列接触癖による無意識の癖・歯並びや食べ物の影響・猫背などの姿勢や免疫力低下など、さまざまな原因が考えられます。
わかりやすくいえば、歯の打撲というイメージです。
刺激が加わらなければ症状はおさまりますが、繰り返す場合は原因の除去しない限り、だんだんと悪化して神経を失ったり、最悪の場合は抜歯の必要があります。
▼治療法
歯根膜炎の治療法は症状や原因によって異なりますが、噛み合わせが合っていない場合には、歯を少し削って左右均等に噛めるように噛み合わせの調整を行います。
また、食いしばりや歯ぎしりの癖がある場合は、寝ている間無意識に歯を酷使することを防ぐため、マウスピースを使った治療を行う場合もあります。
歯以外が原因で痛みが起きる5つの症状
上記では、歯が原因で痛みが起きる症状を解説しましたが、痛みの原因が歯であるとは限りません。。
その他の病気が原因で歯が痛むケースもあるため、その場合には歯医者以外での治療も必要になります。
ここでは、歯以外が原因で痛みが起きる5つの症状を紹介します。
筋肉の痛み
レントゲンや触診など診察で歯に異常が見られない場合は、咀嚼筋が炎症を起こして痛みが起きている疑いがあります。
頬や頭、首周りの筋肉の痛みによって歯が痛くなることがあり、主に食いしばりや歯ぎしりなどで痛みが出ると、症状が広がり奥歯の痛みと錯覚します。
痛い部分をマッサージや温湿布でほぐすことで、症状を改善することが可能です。
神経によって起こる歯の痛み
顔面の神経痛やウィルス感染などで神経が傷付くと、歯が痛くなる場合があります。顔には三叉神経という顔面の知覚を司る神経が存在します。
三叉神経痛を患っている場合、洗顔や歯磨きなどの時に鼻の脇にあるポイントに触れると歯に強い痛みが生じます。
また、帯状疱疹というウィルスに感染した場合は、健康な歯に対して激しい痛みが起こり、数日間激痛が続くことがあります。
夜も眠れないほどの痛みが引き起こされる場合もあるため、早急に歯医者以外で治療を受ける必要があります。
頭痛
偏頭痛や群発頭痛により、歯が痛むことがあります。偏頭痛では上顎の奥歯が痛み、下の犬歯にも影響が出るケースもあります。
群発頭痛は、特に歯の痛みと間違えられやすいため、誤った診断をされると抜歯されてしまったり、神経を取る治療をされるケースもあります。
頭痛が原因で歯の痛みが生じている場合は、脳神経外科で専門的な治療が必要です。
上顎洞に炎症がある場合
上顎洞は風邪で炎症を起こし、奥歯が痛むことがあります。この症状を上顎洞性歯痛といいます。
鼻の周りには左右に鼻とつながる副鼻腔という空洞が4つずつあり、このうち頬の内側にある部分が上顎洞です。
上顎洞性歯痛が疑われる場合は、主に耳鼻咽喉科での治療が必要となります。
心臓病によって起こる歯の痛み
稀ではありますが、狭心症や心筋梗塞によって歯が痛む場合があります。
心臓病による歯の痛みは強く広い範囲に起こります。胸や背中にも痛みがうつり、最悪の場合は死に至るケースも考えられます。
また、胸の圧迫感と連動して歯に強い痛みが出ることもあり、この場合は早急に循環器内科やその他の医療機関で治療を行う必要があります。
まとめ
今回の記事では、虫歯じゃないのに奥歯が痛くなる症状や治療法を解説しました。
歯が原因で引き起こされる痛みに対しての注意も必要ですが、上記で説明した歯以外の原因で生じる痛みにも十分に注意する必要があります。
『平山歯科医院』では、祖師ヶ谷大蔵で25年間培ってきた技術をもとに、さまざまな歯のトラブルやお悩みに対応します。
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歯の悩みを抱えている方は、お気軽にご相談ください。